呪い
おはよう。
前回はみんなにプレゼントをしたので、
今日は軽く呪いでもかけてみよっかなーって。
人を呪わば穴二つ。
なんてことわざがあるように。
呪いというものは、かなりリスキーなものです。
だから、嫌いな人なんて呪わないんですよ。
呪うわけないでしょ。
だから、もしあなたに心底嫌いな人がいて、
呪ってやりたいと思うなら、それはやめましょう。
呪いよりも、存在そのものを心から消した方がいいですよ。
人は人の記憶から消えることが一番悲しいはずです。
じゃあ呪いはなんのために存在するのでしょう。
みなさんは葵・物の怪の出現という物語を知っていますか。
源氏物語のなかのひとつですね。
私は授業で初めて聞きました。
鬼のようにわかりやすく書いてくれていた人を見つけたので引用します。
許されたい。
源氏の君は、葵の上という正妻がいるにもかかわらず かなり年上の六条の御息所と不倫関係にありました。 若い葵の上と源氏の君は折り合いが悪く不仲であったため その頃 世間で教養も深い風雅な貴婦人と評判であった六条の御息所に 興味を持ち、足しげく通うようになります。 初めは「近ごろ評判のイケメン坊っちゃんが自分のところへ来るなんて どうせ興味本位に違いない。テキトーに相手してあしらおう」 と思っていた六条の御息所も、 予想に反してチャラくなく、教養も深く、 美しく魅力的な源氏の君に次第に惹かれるようになっていきます。 そしていつしかその思いは熱い恋情に変わり 不仲と聞き及んでいた正妻のまさかの妊娠を知り、 大ショックを受けます。 プライドの高い六条の御息所にしてみれば、これはもう我慢の限界で 「はるかに年上のこの私が 年若い源氏の君に捨てられたとあらば外聞も悪い。 けれども源氏の君を忘れることなどできない!」と その嫉妬にまみれた強い想いが生霊となり、 身重の葵の上に憑りついて苦しめるのです。(葵の上に取り憑く物の怪という古文のことで質問です。あの話の内容... - Yahoo!知恵袋)
こんなお話なんです。
なかなか衝撃的でしょう。
しかし、現実的にありえない話ではありません。
不倫相手が何度も離婚してくれると言っていたのに、
子どもができたら急に別れてくれ、忘れてくれなんて。
テレビやSNSではありふれた話かもしれません。
ここで気になるのが、やはり物の怪です。
これこそ、古典って感じがして私は好きなんですけども。
でも、生き霊なんですよ。
生き霊って聞くと、なんだか身近な気がしませんか。
生きながらにして、霊を飛ばしてしまう人が、
どれだけの想いを持っているか考えたことがありますか。
六条の御息所の想いは、葵の上を殺してしまったのです。
人ひとり殺せるほどの思いが、ただの嫉妬だと思いますか。
これこそ呪いの意味だと思います。
あなたは、好意を付随させた嫌悪を持ったことがありますか。
私はありますよ。
死ぬほど愛していながら、二度と顔も見たくないと思ったことが。
稀なことに、二回ありますね。
ちなみに、今も。
完全に火は消えていますが、火種はあります。
煙が消えることはありません。
好意とは優しくて、温かいものです。
強い好意は、その人の生きる意味にすらなってしまう。
それをある日突然、無理やり終わりにさせらたら。
あるいは、唐突に裏切りが見えたら。
もしくは、信じていたものが嘘だと気付いてしまったら。
まずは、しかるべき反応を。
ショックを受けます。悲しみ、怒り、どちらも正しい反応です。
しかし、この気持ちは永続しません。
自分の中で受け入れて、噛み砕きます。時間をかけて。
そこから離れるか、気持ち新たに再び好意を灯すか。
どちらもありえますね。
しかし、中には好意が強いあまりに、
受け入れる作業が難しくなってしまう人もいます。
自分ではうまく消化できないでいるのに、
周りばかり前に進んでいく。
すると人は、
なぜ私がこんな目に合わないといけないの、
と被害思考になることもあるでしょう。
被害思考になった人が、目の敵にするのは
周りのファンか、もしくは愛した相手か。
どちらかになるのも、納得です。
嫌いなら見なきゃいい、離れればいい。
正論です、正しい判断ができている。
しかし、その選択にすら到達していないのです。
だってまだ、受け入れられてないのだから。
離れるか残るかなんて、まだまだ先の話。
だから、傍にいながら恨むのです。
愛している気持ちを失くすこともできないのに、
確かに傷ついてる現実。
この狭間で、何を思うでしょう。
私はあの日、あの時、
あの人に生き霊を飛ばせたらいいのに、
と確かに願っていました。
これが私の思う呪いです。
話が長くなりました。
冒頭に呪いをかけるといいましたね。
あなたは「呪い」のもうひとつの読み方を知っていますか。
「のろい」の他に、「まじない」とも読みます。
こう読むと、可愛らしく感じませんか。
私があなたにかけるおまじない。
それは、